【鴻巣市】知らずに遊んでたけど、ここって遺跡なの?東裏一号公園は、東国最大級の埴輪製作跡「生出塚埴輪窯跡」だった。
鴻巣市役所からほど近い、鴻巣市東にある「東裏一号公園」。遊具と、広々としたスペースある、のんびりした公園ですが、こちらに気になる立て看板が立っています。
じっくり読んでみると、ここが東日本最大規模の最大規模の埴輪(ハニワ)窯跡群である、「生出塚遺跡」である。と記されていました。何気なく遊んでいたけど、ここ遺跡なの? という驚きがあります。
すでに周辺は住宅地となっていてかつての景観を偲ぶことはできないとのことですが、数度の発掘調査で古墳時代後期の埴輪窯跡・工房跡・住居跡・古墳跡が見つかっているそうです。
中でも埴輪を焼いた窯は、6世紀初めから終わり頃までの約100年間操業されていたことが明らかになっているそうです。教科書の中のお話のような世界がかつてこの場所にあったのか。と感慨深くなります。出土した埴輪は状況や種類が豊富なうえ、造形的に優れていることから、平成17年(2005年)に国の重要文化財に指定されています。この埴輪たちは、鴻巣文化センター(クレアこうのす)にある歴史民族資料コーナーで自由に見学することができます。
特に、こちらの4体の埴輪は、それぞれ高さが130cm前後ある全身像人物埴輪で造形が優れていて、窯業技術の高さを物語っているそうですよ。130cm、小さく、ポーとした口をしている埴輪のイメージが覆る、大きさと迫力です。ちょっとした小学生ほどの大きさですよね。それぞれ表情も異なり、今にも喋りだしそうです。
人物以外にも動物埴輪も出土しています。
教科書で出会った、縄文式土器。こんな近くにあったとは。びっくりです。
同じ遺跡付近から出土した勾玉・剣形。これは、カマド(火)神に対して窯鎮めなどの祭祀が行われていたことが考えられるそうですよ。
生出塚遺跡で作られた埴輪は生出塚古墳群の他にも、行田市の埼玉古墳群、旧菖蒲町の東浦古墳に運ばれていることがわかっています。さらに、千葉県市原市の古墳からも生出塚で作られた可能性が高い埴輪が出土しているとのこと。鴻巣市から千葉県市原市まで直線距離でも90kmほど。陸路ではなく、元荒川をはじめとする水路を利用して船で運ばれていたんだそうですよ。
今月、2024年10月にお隣の北本市にさらに時を遡った縄文時代のデーノタメ遺跡が国史跡に指定されましたし、こんな身近に日本の時代を感じられる場所があるとは。気軽に立ち寄れますので、ぜひ埴輪見学しに行ってみてくださいね。
生出塚埴輪窯跡はこちら↓